
問題1 施工経験記述の総評
設問1
令和7年度の問題1では、「品質管理上特に重点を置くべきと考える項目」がテーマとなり、例年通り“品質管理”と“合理化”が交互に出題される傾向が続いていることが再確認されました。今回は品質管理に関する記述で、過去の出題(令和5年、令和3年)と類似するテーマであったことから、事前に準備を進めていた受験者にとっては比較的対応しやすい設問だったと考えられます。
設問の構成は、対象となる工種や作業名を挙げた上で、重点管理項目とその理由、さらに具体的な管理方法までを記述するスタイルで、経験記述として求められる内容は例年通りでした。ただし、昨年から導入された「あらかじめ示された工事概要に基づいて解答する形式」は今年も継続されており、今年度は『鉄骨構造・地上7階建て・塔屋1階の事務所ビル新築工事』が概要として提示されました。鉄骨工事の経験がない受験者にとっては、実例を想起することが難しく、戸惑いを感じた方も少なくなかったでしょう。
設問2
一方、設問2では「組織的な品質管理活動」に関する記述が求められました。このテーマも過去に出題された実績があるため、本サイトで紹介している過去問の分析や記述例をしっかり学んでいた受験者であれば、十分に対応可能な内容だったといえます。
総じて、今年の問題1は「過去の出題傾向」と「新形式への対応力」が問われる内容でした。このサイト『一級建築施工管理技士 施工経験記述攻略サイト』を活用し、記述の型や対策を繰り返し学習していた方にとっては、確実に得点が狙える設問だったと言えるでしょう。
令和7年度 一級建築施工管理技士(第二次検定)の試験問題(問題1ー1、1-2)


今年の出題は品質管理
今年の出題は品質管理でした。
近年は品質管理と合理化が交互に出題されていましたので、少しは的が絞れていた人もいるのではないでしょうか。
また、工事概要も昨年度に試験内容が変わっての1年目が鉄筋コンクリート造とくれば2年目は鉄骨造というのも予測しやすかったのではないかと思います。
問題1-1
品質管理上特に重点を置くべきと考える項目
「品質管理」が問われる背景には、トラブルが発生しやすい・発生すると重大な影響を及ぼすという側面があります。
鉄骨造の施工では、接合部の精度・部材寸法・耐火性など、後から手直しが効かない工程が多いため、それぞれの工程での品質管理が非常に重要です。
本設問では、単なる知識だけでなく、受験者の現場経験と管理意識をいかに論理的に、具体的に記述できるかが評価のポイントになります。
それでは、設問に従って考えてみましょう。
①工種名又は作業名等
どういう工事名や作業名が考えられるか7パターンほど挙げてみました。
②、③の模範解答は下記の工事名をクリックして頂ければ見ることが出来ます。
いずれも鉄骨工事ならではという感じですよね。仮設足場の組立・解体や基礎工事など、どのような工事にも該当するような内容は極力避けましょう。
問題1-2
品質管理活動の内容及びそれを協力会社等に伝達する手段又は方法
設問2で使える工事名または作業名
どういう工事名や作業名が考えられるか10パターンほど挙げてみました。
選ぶときのポイント
- 自分が主担当や管理した経験がある工事を選ぶ
- 「協力会社に伝えた内容」が明確に思い出せる作業(例:手順書渡した、朝礼で指示した)
- 寸法、厚み、順序、確認方法など“数値化”できる品質項目があるものだと記述しやすい
