
鉄骨製品検査で想定される主なトラブル・問題点
| 分類 | 問題点・トラブル内容 | 想定される影響 |
|---|---|---|
| 1.寸法不良 | 柱・梁の長さや幅、厚みが図面と異なる | 現場建方時に接合できない、調整・切断が必要になり工期遅延 |
| 2.孔位置不良 | ボルト孔の位置が図面とずれている | 高力ボルトが通らない、現場での加工が必要になる |
| 3.溶接部の不良 | 溶接部に欠陥(割れ、ブローホール、未溶け込み等)がある | 構造強度に重大な影響、検査不合格→再溶接・補修が必要 |
| 4.表面処理不良 | さび、酸化皮膜、塗装不良 | 防錆性能の低下、外観不良、補修手間増加 |
| 5.部品不足 | スタッド、補強プレート、仕口部材などが未取付 | 組立不能、現場での追加作業・納入遅延 |
| 6.マーキングミス | 部材番号や向きの表示が誤っている | 誤組立、建方順序の混乱、現場混乱 |
| 7.設計変更の未反映 | 図面変更内容が製品に反映されていない | 製品の再製作が必要、工程やコストへの大幅な影響 |
| 8.品質記録の不備 | 検査記録や検査証明書が提出されていない | 品質保証できず、施工中止・再検査の必要 |
模範解答例:問題1-1-②(鉄骨製品検査)
特に重点を置くべきと考える品質管理項目及びその品質管理項目について重点を置くべきと考える理由
品質管理項目
鉄骨部材の寸法精度および孔位置の適合性
理由
鉄骨部材は工場製作された後に現場へ搬入され、建方や接合作業に使用されるため、製品段階での寸法精度や孔位置に不具合があると、現場での建方作業に支障をきたすだけでなく、高力ボルトが適切に挿入できない、部材の建入れ精度にズレが生じるなど、後工程全体に大きな影響を与える可能性がある。さらに、不適合部材の再製作や手直しによって工程遅延やコスト増にもつながるため、事前の検査において特に重点的に管理すべきである。
解説ポイント
- 「重点を置くべき品質項目」は具体的かつ技術的な内容にする(→寸法・孔位置)
- 「理由」では、構造的影響+工期・コストへの影響を論理的に述べると説得力が増します
- 実務に即して、不適合が発生した際のリスクに触れるのも評価につながります
模範解答例:問題1-1-③(鉄骨製品検査)
②の品質管理項目を管理していく上で実施すべき内容
製品検査では、工場出荷前に寸法精度・孔位置・溶接状態について、設計図と照合した上で実測による確認を行う。また、検査時には検査記録表に基づきチェックリスト方式で確認し、不適合があった場合は出荷停止とし、製作会社に是正を依頼する体制を整えている。さらに、検査結果については写真記録とともに保存し、現場搬入時に再度仕様との整合性を確認することで、後工程での不具合発生を未然に防いでいる。
解説ポイント
- 誰が/いつ/どうやって管理するのかを明確に
- 「記録」「照合」「是正措置」「再確認」など、具体的な工程やフローを書くと◎
- 実務に即した書き方で「現実的にできそう」な内容を心がけると評価が高いです
