2.鉄骨建方(問題1-1)

鉄骨建方

鉄骨建方で想定される主なトラブル・問題点

分類トラブル・問題内容想定される影響・リスク
1.建入れ精度不良柱や梁が垂直・水平に立っていない外装取付・床スラブ工事・内装工事にズレが生じ、手直しや仕上がり不良の原因に
2.部材位置のずれ設計と異なる位置に柱や梁を組んでしまう構造的な不整合、ALCやサッシの取付不可、再施工が必要に
3.ボルト孔の位置ずれボルト穴が合わず接合できない追加加工や部材交換が必要。工程遅延・コスト増加
4.仮ボルトの不備仮締め不足や誤った位置での仮設安定性不足による倒壊リスク、作業者の安全性にも影響
5.支保工・仮設材の不足柱・梁を固定する補助材が不十分作業中の振れ・転倒など安全上の重大リスク
6.高所作業時の墜落安全帯不使用・作業手順の逸脱作業員の重大災害(死亡事故など)
7.クレーンの吊荷事故荷の落下・接触・指示ミス周囲の作業員や仮設物への被害、建材の破損
8.天候による影響強風・雨天での作業強行安定性・精度に支障。安全上のリスク増大
9.図面の読違い施工図・部材記号の誤認違う部材の組付け、組立順序の混乱
10.設計変更の未反映最新図面での施工でない合わない部材が搬入され、作業停止・再手配が必要に

模範解答例:問題1-1-②(鉄骨建方)

特に重点を置くべきと考える品質管理項目及びその品質管理項目について重点を置くべきと考える理由

品質管理項目

柱および梁の建入れ精度の確保

理由

鉄骨建て方における柱や梁の建入れ精度が確保されていないと、外装パネルやサッシ、床スラブ等の後工程で取り合い不良や施工不良が発生しやすくなる。また、建物全体の垂直・水平精度が乱れることで構造的な不整合が生じ、安全性や耐震性にも影響を与えるおそれがあるため、建入れ精度の管理は品質確保の要となる。

解説ポイント

  • 単に「ズレる」ではなく構造・仕上げ・安全性の三方面に影響することを明記
  • 建て方精度の乱れが「後工程の障害」になることを強調する
  • 「なぜ管理が必要なのか」に現場的・構造的な視点を入れる

模範解答例:問題1-1-③(鉄骨建方)

②の品質管理項目を管理していく上で実施すべき内容

建て方作業時には、トランシットや水準器を用いて柱の垂直度や梁の水平精度を都度測定し、設計値と比較して所定の許容誤差内に収まっていることを確認する。確認後は精度記録を作成し、各階ごとに社内で共有して是正の判断に活用する。また、仮ボルトの本数や締付け状態、支保工の設置状況についても併せて確認し、建て方中の部材のズレや倒壊のリスクを低減させる体制を整えている。

解説ポイント

  • 測定手段+記録の作成・共有まで具体的に言及することで実務性を出す
  • 仮ボルト・支保工の確認など、施工中の安定性確保も品質管理に含める
  • 「工程内で完結する」だけでなく、組織内で管理・改善できる体制を意識
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