4.現場溶接作業(問題1-1)

現場溶接作業

現場溶接作業で想定される主なトラブル・問題点

分類トラブル・問題内容想定される影響・リスク
1.溶接欠陥未溶け込み、ブローホール、クラックなどの欠陥接合強度が不足し、構造的な破断・変形につながる。非破壊検査で不合格になる可能性も高い。
2.溶接条件の不適合電流・電圧・速度・層数などが指定と異なる施工規定の強度が得られず、構造耐力や耐震性に支障をきたすおそれがある。
3.天候・環境影響低温・高湿度・風などによりアークが安定しないスパッタや不完全溶け込みが発生しやすく、溶接の品質が著しく低下する。
4.開先加工ミス部材の開先(溶接部の端部)角度・形状・寸法が不適正溶け込み不足や溶接部の不均一化が生じ、見た目・強度ともに不良となる。
5.溶接順序の不適正熱ひずみや収縮によって部材が変形鉄骨建入れ精度に影響し、後続工事(ALC・外装・内装)に悪影響を及ぼす。
6.非破壊検査不備超音波(UT)や磁粉(MT)検査が未実施または記録不備欠陥が見逃され、後で重大な構造トラブルの原因になる。第三者機関の指摘にもつながる。
7.安全管理不足火花による火災・感電・有害ガスの吸引などのリスク作業員の健康被害、火災事故、災害報告につながる可能性あり。溶接中は特にリスクが高い。

模範解答例 1-1-②(現場溶接作業)

特に重点を置くべきと考える品質管理項目及びその品質管理項目について重点を置くべきと考える理由

品質管理項目

溶接部の外観および非破壊検査の実施

理由

現場溶接は構造部材同士を一体化させる重要な工程であり、溶接部に未溶け込みや割れ、ブローホールなどの欠陥があると、接合部の強度不足や構造安全性の低下を招くリスクがある。これらの欠陥は目視では発見しづらいため、外観検査に加えて、超音波探傷検査(UT)や磁粉探傷検査(MT)などの非破壊検査を適切に実施することが、確実な品質確保につながると考える。

解説ポイント

  • 「溶接部の欠陥は見えにくい」=非破壊検査が不可欠というロジックを重視
  • “安全性”と“信頼性”に直結する項目として強調
  • 技術用語を正しく使うことで、専門性をアピール

模範解答例 1-1-③(現場溶接作業)

②の品質管理項目を管理していく上で実施すべき内容

溶接作業完了後には、まず溶接部の外観を目視で確認し、ひび割れや溶け不足、スパッタの有無などを点検する。その後、施工図および検査要領書に基づいて、非破壊検査(UTまたはMT)を実施し、検査結果を写真付きで記録する。また、検査前の段階で溶接方法や施工条件(電流・電圧・層数)を確認し、作業者の資格・経験も事前に把握しておくことで、確実な品質管理体制を整えている。

解説ポイント

  • 「外観検査→非破壊検査→記録保存」までの流れを明確に記述
  • 事前確認(溶接条件・作業者の資格)を入れることで管理レベルが高く見える
  • 写真記録や仕様書との照合など、第三者から見て証明可能な管理が評価される
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