施工経験記述の不合格の理由と対策をここでは解説します。

一級建築施工管理技士 第二次検定における「施工経験記述」は、多くの受験者がつまずく関門です。
このページでは、よくある不合格の原因とその対策を具体的に紹介します。
「なぜ落ちたのか」がわからないまま再受験するのではなく、根本的な原因を知って改善することが重要です。
不合格の主な理由
1.表現が曖昧
- 「努力しました」「注意しました」など抽象的表現だけで終わっている
- 行動の具体性がない
- 結果や効果が書かれていない
2.テーマと一致していない
- 品質管理のテーマなのに、安全面の話になっている
- 工事の種類がテーマに合っていない
3.キーワード不足
- 「是正指導」「工程管理」「施工手順の見直し」など評価される用語が入っていない
4.文量・構成不備
- 字数不足、空欄あり
- 時系列や構成がバラバラで読みづらい
- 主語・動詞がはっきりしない
一度目の受験では、「品質管理」として書いたのに「何が品質なのか」が伝わらず不合格。
添削を受けて「読んだ人に“管理”が伝わっていない」と指摘されました。
不合格を避ける対策まとめ
1.書く前に「管理テーマ」と「その現場での実例」を整理する
解説:
施工経験記述は「あなたが実際に現場でどんな管理を行ったか」をテーマごとに説明するものです。抽象的な説明では評価されにくいため、まずは与えられたテーマ(品質管理・安全管理・工程管理など)に対して、自分の経験の中から具体的な現場・工事内容・対応した問題を明確に整理しましょう。
✅ ポイント
- 工事名(例:鉄筋コンクリート造5階建て共同住宅)
- 担当した役割(例:現場代理人補佐)
- 管理内容(例:配筋検査での不適合是正)
- 結果(例:是正後の立会検査に合格し、スケジュール通り進行)
2.第三者に読んでもらって、意味が伝わるか確認する
解説:
自分では伝えたつもりでも、読み手(評価者)に伝わっていないケースは非常に多いです。特に主語と述語の関係があいまいだったり、専門用語の誤用があると減点の対象になります。
一度、同業者や添削サービスなど、第三者に読んでもらって内容が理解できるか確認することが非常に有効です。
✅ チェックする観点
- 文章の主語と動作が明確になっているか
- 「何を」「なぜ」「どうした」かが一貫しているか
- 読み手が初見でも状況をイメージできるか
3.過去問で出たテーマごとに複数のパターンを用意しておく
解説:
経験記述の問題は、毎年同じではありませんが、テーマの傾向はかなり固定されています(品質・安全・工程・環境・合理化など)。
各テーマに対して自分の現場経験から2〜3通りのネタを準備しておくと、試験当日に選択肢が広がり安心です。
また、状況によっては同じ工事で複数の管理内容を書き分けることも可能です。
✅ おすすめ対策
- 過去3〜5年分の出題テーマを分類しておく
- 一つの工事で複数の管理テーマが書けるよう整理
- テーマ別に事例のメモをExcelなどでまとめておく
4.評価されるキーワードを調べ、文中に意識的に組み込む
解説:
評価されやすい記述には共通点があります。それは、具体的で技術的なキーワードがしっかり入っていること。
たとえば、「自主検査」「是正処置」「立会検査」「ヒヤリハット報告」「作業手順書」「工程会議」などの言葉は、評価者にとって「業務がしっかり行われた」と伝わる指標になります。
✅ おすすめの方法
- 合格者の体験記から頻出語句を抽出する
- テーマごとに「使えるキーワード集」をつくっておく
- 書き上げた後に、評価される単語が含まれているかチェックする
ここまで読んで頂いて、施工経験記述の不合格の理由と対策については、なんとなくお分かりいただけたのではないでしょうか。まずはひとつひとつクリアしていきましょう。