コンクリート工事の模範解答例(令和8年度・問題1-2)

1.コンクリート工事で考えられる主なコスト削減の合理化方法

鉄筋コンクリート造の建築工事では、コンクリートの材料費、運搬費、圧送費、打込み・締固めに要する労務費、仕上げ費、養生費などが発生します。

コンクリート工事のコスト削減では、所定の品質を確保しながら、施工中の待機時間や材料ロス、機械・作業員の稼働に伴う費用を抑えることが重要です。

分類施工の合理化方法コスト削減につながる理由
1.打込み区画の合理化打込み数量や施工条件に応じて区画を設定する不要な段取り替えや機材移動に伴う費用を抑えられる
2.配車計画の最適化打込み能力や運搬時間に合わせて生コン車の到着間隔を調整する車両の過度な待機や打込み中断に伴う費用を抑えられる
3.圧送配管の合理化打込み順序に合わせて配管経路を計画する配管の盛替え・再設置に要する労務費を抑えられる
4.打込み順序の合理化柱・壁・梁・床などの打込み順序を事前に計画する作業員・機械の待機や段取り替えを減らせる
5.コンクリート数量の精査施工図や躯体寸法に基づいて必要数量を算出する過剰発注や残コンの発生を抑え、材料費・処分費を削減できる
6.床仕上げの機械化広い床面で機械式こてなどを適切に使用する仕上げ作業に要する労務費を削減できる場合がある
7.プレキャスト部材の採用適用可能な躯体部材をプレキャスト化する現場打込み・型枠・支保工などを含む総費用を削減できる場合がある
8.施工記録のデジタル化打込み数量や配車状況、品質管理記録を電子化する記録の転記・整理に要する事務作業費を抑えられる

※ コスト削減の効果は、工事規模、施工条件、契約条件、機械の稼働時間などによって異なります。合理化方法の採用に当たっては、追加費用も含めて比較する必要があります。

2.模範解答例:問題1-2-①(コンクリート工事)

工種名又は作業名等

【解答例】

コンクリート工事(躯体コンクリートの打込み作業)

3.模範解答例:問題1-2-②(コンクリート工事)

コスト削減につながる合理化の内容とその理由

【解答例】

躯体コンクリートの打込みに当たり、施工区画ごとの打込み数量とポンプ車の圧送能力を考慮して打込み順序を計画し、生コン車の到着間隔を調整する。

これにより、生コン車や作業員の過度な待機、打込み中断に伴う段取り替えを抑え、車両待機に伴う費用や施工労務費の削減を図る。

解説ポイント

この答案では、打込み計画と配車計画の合理化が、費用の削減につながる仕組みを説明しています。

  • 合理化の方法: 打込み数量・圧送能力に応じて、打込み順序と生コン車の到着間隔を調整する。
  • 具体的な実施内容: 施工区画ごとの打込み計画を作成し、生コン工場や圧送業者と配車時間を調整する。
  • 削減対象となる費用: 車両の待機に伴う費用、段取り替えや待機に伴う施工労務費。

例えば、生コン車が短時間に集中すると、現場で待機車両が増える場合があります。一方、車両の到着が遅れると、ポンプ車や作業員が待機することになります。

そのため、実際の打込み能力に見合った配車間隔を設定し、過度な待機を抑えることが合理化のポイントです。

ただし、配車間隔を広げすぎると、打重ね時間が長くなり、コールドジョイントなどの品質不良につながるおそれがあります。

また、車両待機費用の削減は、実際の契約条件によって効果が異なります。答案では、待機時間の減少による施工労務費や機械の稼働に伴う費用の抑制と結び付けると、合理化の理由を具体的に説明できます。

4.答案作成のポイント

問題1-2では、施工の合理化によって、何の費用がどのように削減されるのかを明確に記述することが重要です。

コンクリート工事の場合、単に「打込み計画を合理化してコストを削減する」と記述するだけでは、費用削減の理由が十分に伝わりません。

そこで、打込み数量と圧送能力に合わせて生コン車の配車間隔を調整し、車両や作業員の待機を減らすことで、施工労務費などを抑えるというように、合理化の内容と費用削減の仕組みを具体的に説明します。

また、コスト削減を優先して生コン車の台数を過度に減らしたり、打込みを不必要に中断したりすると、打重ね時間の超過や施工品質の低下につながるおそれがあります。

そのため、コンクリートの運搬時間、打込み能力、打重ね時間、締固めなどを適切に管理し、品質を確保することを前提として合理化を図ることが大切です。

答案では、合理化の方法、削減対象となる費用、品質確保の考え方を関連付けて記述しましょう。

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