
1.型枠工事で考えられる主なコスト削減の合理化方法
鉄筋コンクリート造の建築工事では、柱・梁・壁・床などの型枠工事において、せき板や桟木などの材料費、型枠の加工・組立て・解体に要する労務費、運搬費などが発生します。
型枠工事のコスト削減では、必要な品質を確保しながら、型枠材料の使用量や加工・組立てに要する費用を抑えることが重要です。
| 分類 | 施工の合理化方法 | コスト削減につながる理由 |
|---|---|---|
| 1.型枠の転用計画 | 同一形状の柱・梁・壁などで型枠材を繰り返し使用する | 新規型枠材の購入費や加工費を削減できる |
| 2.型枠寸法の標準化 | 同一寸法の型枠を使用できるように施工図や割付けを調整する | 特殊寸法の加工や材料の切断ロスを減らせる |
| 3.システム型枠の採用 | 規格化された型枠部材を繰り返し使用する | 型枠の加工費や材料の更新費を抑えられる場合がある |
| 4.型枠材の工場加工 | 施工図に基づいて型枠材を工場でまとめて加工する | 現場加工の労務費や材料の切断ロスを抑えられる |
| 5.大型パネル型枠の採用 | 繰り返し使用する壁型枠などを大型パネル化する | 組立て・解体に要する労務費を削減できる場合がある |
| 6.型枠支保工の計画合理化 | 構造計算や施工条件に基づいて支保工の配置を適正化する | 過剰な部材使用を避け、材料費やリース費を抑えられる |
| 7.材料搬入の計画化 | 施工区画や転用順序に合わせて型枠材を搬入・移動する | 不要な小運搬や再搬入に要する費用を抑えられる |
| 8.型枠材の損傷防止 | 解体・運搬・保管時の取扱い方法を徹底する | 型枠材の破損や変形を減らし、補修費・更新費を抑えられる |
※ 合理化方法によっては、専用部材の導入費、揚重費、運搬費などが増える場合もあります。採用に当たっては、工事全体の費用を比較する必要があります。
2.模範解答例:問題1-2-①(型枠工事)
工種名又は作業名等
【解答例】
型枠工事(柱・壁型枠の加工及び組立て作業)
3.模範解答例:問題1-2-②(型枠工事)
コスト削減につながる合理化の内容とその理由
【解答例】
各階で同一形状となる柱及び壁の型枠について、施工階ごとの使用順序を計画し、解体した型枠材を次の施工階に転用する。
これにより、新規に使用するせき板や桟木の数量を減らすとともに、型枠材の切断・加工を繰り返す必要がなくなり、材料費及び加工に要する労務費を削減できる。
解説ポイント
この答案では、「型枠を転用する」という合理化の方法と、「材料費・加工費が減る」というコスト削減の理由を結び付けています。
- 合理化の方法: 同一形状の柱・壁型枠を施工階ごとに転用する。
- 具体的な実施内容: 解体した型枠材を次の施工階で使用する転用計画を立てる。
- 削減できる費用: 新規型枠材の購入費、切断・加工に要する労務費。
ただし、型枠材を繰り返し使用すると、せき板の損傷や変形、接合部の緩みなどが生じる場合があります。
そのため、転用時には型枠材の状態を確認し、コンクリート躯体の寸法精度や表面品質を確保できる材料だけを使用する必要があります。
また、転用回数を増やせば必ずコストが下がるわけではありません。型枠材の補修費、運搬費、保管費なども考慮して計画することが重要です。
4.答案作成のポイント
問題1-2では、施工の合理化によってどの費用が削減されるのかを明確に記述することが重要です。
型枠工事の場合、「型枠を転用してコストを削減する」と書くだけでは、削減の仕組みが十分に伝わりません。
そこで、同一形状の柱・壁型枠を複数階で転用することで、新規材料の使用量と切断・加工の回数を減らし、材料費と労務費を削減するというように、合理化の内容と費用削減の理由を具体的に説明します。
また、コスト削減を優先するあまり、傷んだ型枠材をそのまま転用しては、躯体の寸法不良やコンクリート表面の仕上がり不良につながるおそれがあります。
そのため、転用する型枠材の損傷・変形を確認し、品質を確保することを前提として合理化を図ることが大切です。
答案では、合理化の方法、削減対象となる費用、品質確保の考え方を関連付けて記述しましょう。

