
1.鉄筋工事で考えられる施工の合理化方法
鉄筋コンクリート造の建築工事では、鉄筋の加工・運搬・配筋・結束など、多くの現場作業が必要になります。
これらの作業について、品質を確保しながら現場作業の軽減を図る方法として、次のような合理化が考えられます。
| 分類 | 施工の合理化方法 | 現場作業の軽減につながる理由 |
|---|---|---|
| 1.先組み工法 | 柱・梁の鉄筋を作業ヤードで先行して組み立てる | 所定位置での組立て・結束作業を減らせる |
| 2.鉄筋の工場加工 | 鉄筋の切断・曲げ加工を工場で行う | 現場での切断・曲げ作業を減らせる |
| 3.機械式継手 | 適用条件を確認したうえで機械式継手を採用する | 現場での継手施工を標準化し、作業を効率化できる |
| 4.溶接金網の活用 | 床スラブなどに適用可能な溶接金網を採用する | 鉄筋を一本ずつ配置・結束する作業を減らせる |
| 5.ユニット化 | 開口補強筋などを事前に組み立てておく | 現場での個別の配筋・結束作業を減らせる |
| 6.加工帳のデジタル化 | 配筋図や加工帳をデジタルデータで共有する | 加工指示の確認や変更情報の伝達に伴う手戻りを減らせる |
| 7.鉄筋の搬入計画 | 施工順序に合わせて加工鉄筋を搬入・荷分けする | 現場での仕分けや小運搬、仮置き替えを減らせる |
| 8.配筋検査のICT活用 | 適用可能なデジタル計測・記録技術を活用する | 寸法計測や写真整理、検査記録の作成作業を効率化できる |
2.模範解答例:問題1-1-①(鉄筋工事)
工種名又は作業名等
【解答例】
鉄筋工事(先組み工法)
3.模範解答例:問題1-1-②(鉄筋工事)
現場作業の軽減策と軽減につながる理由
【解答例】
柱及び梁の鉄筋について、作業ヤードであらかじめ組み立てる先組み工法を採用し、揚重機で所定位置に設置することとした。
これにより、所定位置での鉄筋の組立てや結束作業を減らすことができ、現場作業の軽減につながる。
解説ポイント
- 軽減策: 鉄筋の先組み工法を採用する。
- 具体的な作業: 柱・梁の鉄筋を作業ヤードで組み立て、揚重機で設置する。
- 軽減につながる理由: 所定位置での組立て・結束作業が減る。
4.模範解答例:問題1-1-③(鉄筋工事)
現場作業の軽減及び工程短縮以外に期待できる効果
【解答例】
作業ヤードで鉄筋を組み立てることにより、配筋間隔や定着長さなどを確認しやすくなり、配筋精度の向上及び品質の安定化が期待できる。
また、高所での鉄筋組立て作業を減らすことで、墜落・転落災害のリスク低減にもつながる。
解説ポイント
今回の③では、現場作業の軽減や工程短縮以外の効果を記述する必要があります。
鉄筋の先組み工法では、品質面や安全面の効果を説明すると、設問の要求に沿った答案を組み立てやすくなります。
ただし、先組み工法そのものが品質を保証するわけではありません。施工時には、鉄筋の変形防止や建込み精度、継手位置などの確認も必要です。
5.答案作成のポイント
今回の問題1-1では、施工の合理化によって、具体的にどの現場作業が軽減されるのかを明確に記述することが重要です。
鉄筋工事の場合、単に「鉄筋の先組み工法を採用する」と書くだけでなく、どの部材の鉄筋を、どこで先組みし、どの作業を減らすのかを具体的に説明します。
例えば、柱や梁の鉄筋を作業ヤードで先組みし、揚重機で所定位置に設置することで、所定位置での鉄筋組立てや結束作業を減らせることを示します。
また、③では、現場作業の軽減や工程短縮以外の効果を記述する必要があります。
鉄筋の先組み工法であれば、配筋精度の向上や品質の安定化、高所作業に伴う災害リスクの低減などが考えられます。
ただし、先組みした鉄筋の運搬・揚重時の変形防止、継手位置、建込み精度などを確認し、品質を確保することが前提となります。
合理化の方法・軽減される作業・その他の効果を、それぞれ具体的に結び付けて記述することが答案作成のポイントです。

