コンクリート工事の模範解答例(令和8年度・問題1-1)

1.コンクリート工事で考えられる主な施工の合理化方法

鉄筋コンクリート造の建築工事では、コンクリートの運搬、打込み、締固め、仕上げ、養生など、多くの現場作業が必要になります。

これらの作業について、品質を確保しながら現場作業の軽減を図る方法として、次のような合理化が考えられます。

分類施工の合理化方法現場作業の軽減につながる理由
1.コンクリートポンプによる圧送コンクリートポンプ車と配管を用いて打込み位置まで圧送するバケット等による小運搬や運搬待ちに伴う作業を減らせる
2.配管計画の最適化打込み区画や順序に合わせて圧送配管を計画する配管の盛替えや段取り替えを減らせる
3.打込み区画の合理化施工条件に応じて打込み区画と順序を計画する作業員や機材の頻繁な移動、段取り替えを減らせる
4.プレキャストコンクリート部材の採用適用可能な柱・梁・床などの部材をプレキャスト化する当該部位の現場打込み・締固め・仕上げ作業を減らせる
5.高流動コンクリートの採用部材形状や施工条件に適した高流動コンクリートを採用する適用する材料の仕様に応じて締固め作業を軽減できる
6.床仕上げ機械の活用床コンクリートの仕上げに機械式こて等を使用する広い床面の手作業によるこて仕上げを減らせる
7.打込み計画の情報共有打込み順序、配車計画、作業分担を事前に共有する作業待ちや連絡調整に伴う手戻りを減らせる
8.養生方法の合理化部位や気象条件に応じて養生シート等を計画的に使用する養生材の設置・撤去や散水作業の一部を効率化できる

2.模範解答例:問題1-1-①(コンクリート工事)

工種名又は作業名等

【解答例】

コンクリート工事(躯体コンクリートの打込み作業)

3.模範解答例:問題1-1-②(コンクリート工事)

現場作業の軽減策と軽減につながる理由

【解答例】

躯体コンクリートの打込みについて、コンクリートポンプ車による圧送工法を採用し、打込み区画と施工順序に合わせて圧送配管を配置する。

これにより、バケットによるコンクリートの運搬作業を減らすとともに、配管の盛替えや段取り替えを抑え、現場作業の軽減を図る。

解説ポイント

この答案では、圧送工法の採用と、圧送配管の合理的な配置を組み合わせています。

  • 合理化の方法: コンクリートポンプ車による圧送工法を採用する。
  • 施工方法: 打込み区画と施工順序に合わせて配管を配置する。
  • 軽減される作業: バケット運搬、配管の盛替え、段取り替えなど。

なお、圧送工法は一般的な施工方法でもあるため、実際の答案では、従来の施工方法と比較して、どのような工夫で作業を軽減するのかを明確にすることが重要です。

また、圧送距離や配管径、コンクリートの性状、ポンプの能力などを確認し、材料分離や閉塞が生じないように計画する必要があります。

4.模範解答例:問題1-1-③(コンクリート工事)

現場作業の軽減及び工程短縮以外に期待できる効果

【解答例】

打込み区画と施工順序に合わせて圧送配管を計画することで、コンクリートの供給を安定させやすくなり、打重ね時間の管理や打込み品質の確保につながる。

また、バケットの揚重回数を減らすことで、揚重作業に伴う接触・落下などの災害リスクの低減が期待できる。

解説ポイント

③では、現場作業の軽減や工程短縮以外の効果を記述します。

コンクリートの圧送打込みと配管計画の合理化では、次のような効果が考えられます。

  • 品質面: コンクリートの供給を安定させ、打込みや打重ね時間を管理しやすくする。
  • 安全面: バケットの揚重回数を減らし、揚重作業に伴う災害リスクを抑える。
  • 施工管理面: 打込み順序を明確にすることで、作業員の配置や施工状況を把握しやすくする。

ただし、圧送配管を合理化しても、コンクリートの打込み高さ、打重ね時間、締固め、型枠への側圧などの管理は必要です。

5.答案作成のポイント

今回の問題1-1では、合理化の方法だけでなく、その方法によってどの現場作業が減るのかを具体的に記述することが重要です。

コンクリート工事の場合、単に「ポンプ車を使用する」と記述するだけでは、一般的な施工方法の説明にとどまるおそれがあります。

そこで、打込み区画と施工順序に応じた圧送配管の配置や、配管盛替え回数の削減など、具体的な合理化の工夫を示すことが大切です。

また、③では工程短縮を繰り返し述べず、コンクリートの供給安定による品質確保や、揚重作業に伴う災害リスクの低減などを説明します。

なお、合理化を図る際も、打込み・締固め・養生などの基本的な品質管理を省略してよいわけではありません。

合理化の方法、軽減される現場作業、品質・安全面の効果を具体的に結び付けて記述しましょう。

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