防水工事の模範解答例(令和8年度・問題1-2)

1.防水工事で考えられる主なコスト削減の合理化方法

鉄筋コンクリート造の事務所ビルでは、屋上、バルコニー、庇などの防水工事において、防水材の材料費、下地処理費、施工労務費、運搬費、廃材処分費などが発生します。

防水工事のコスト削減では、所定の防水性能を確保しながら、防水材の使用量や現場での加工・施工に要する費用を抑えることが重要です。

分類施工の合理化方法コスト削減につながる理由
1.防水シートの割付け合理化屋上の形状とシートの規格寸法を考慮して割付けを計画する切断端材や過剰な材料使用を抑え、材料費・処分費を削減できる
2.防水シートのプレカット施工図に基づいて防水シートを事前に裁断する現場での採寸・切断に要する労務費を抑えられる場合がある
3.防水材料の適正発注防水面積、立上り、重ね代、役物部分を考慮して必要数量を算出する過剰発注や余剰材料の発生を抑えられる
4.端部金物の既製品化立上り端部などに適合する既製の押さえ金物を採用する現場加工費や取付け調整費を抑えられる場合がある
5.施工区画の合理化下地処理から防水層施工までの作業区画と順序を計画する作業の中断や段取り替えに伴う労務費を抑えられる
6.下地状態の事前確認防水施工前に下地の乾燥状態、不陸、ひび割れなどを確認する施工後の手直しや防水材の再施工費を抑えられる
7.材料搬入の計画化施工区画ごとに必要な防水材を仕分けして搬入する小運搬や再仕分けに要する労務費を抑えられる
8.施工図の事前調整ドレン、立上り、設備基礎などの取合いを事前に確認する現場での追加加工や手戻りによる費用を抑えられる

※ 防水材の使用量を減らす場合でも、設計図書や製造所の施工仕様で定められた重ね幅、防水層の構成、端部処理などを変更してはいけません。

2.模範解答例:問題1-2-①(防水工事)

工種名又は作業名等

【解答例】

防水工事(屋上のシート防水施工)

3.模範解答例:問題1-2-②(防水工事)

コスト削減につながる合理化の内容とその理由

【解答例】

屋上のシート防水について、屋上の形状や設備基礎、ドレンなどの位置を考慮し、防水シートの規格寸法に合わせて施工前に割付けを計画する。

これにより、シートの切断端材や不要な材料使用を抑え、防水材の購入数量を減らすことで、材料費及び廃材処分費を削減する。

解説ポイント

この答案では、防水シートの割付け計画と、材料費・廃材処分費の削減理由を具体的に結び付けています。

  • 合理化の方法: 屋上の形状と防水シートの規格寸法を考慮して割付けを計画する。
  • 具体的な実施内容: 設備基礎、ドレン、立上りなどの位置を確認し、シートの張り方向や切断寸法を検討する。
  • 削減できる費用: 防水シートの材料費、端材の廃材処分費。

例えば、屋上の形状に合わせてシートの張り方向や割付けを検討することで、切断端材の発生を抑えられる場合があります。

ただし、防水シートの重ね幅や継目位置は、自由に変更できるわけではありません。

採用する防水工法に応じて、製造所の施工仕様に定められた重ね幅、継目の処理方法、張り方向、端部処理などを守ることが必要です。

また、材料費を減らすために重ね幅を不足させたり、使用できない端材を無理に転用したりすると、漏水の原因になるおそれがあります。

防水性能を確保したうえで、材料の切断ロスや過剰発注を抑えることが合理化のポイントです。

4.答案作成のポイント

問題1-2では、施工の合理化によって、何の費用が、どのような理由で削減されるのかを具体的に記述することが重要です。

防水工事の場合、「防水材の使用量を減らしてコストを削減する」と書くだけでは、合理化の方法が明確になりません。

そこで、屋上の形状と防水シートの規格寸法を考慮して割付けを計画し、切断端材や過剰な材料使用を減らすことで、材料費と廃材処分費を削減するというように説明します。

また、コスト削減を優先するあまり、防水シートの重ね幅を小さくしたり、必要な防水層の構成を変更したりしてはいけません。

そのため、設計図書や製造所の施工仕様に適合することを確認し、所定の防水性能を確保したうえで合理化を図ることが大切です。

答案では、合理化の方法、削減対象となる費用、品質確保の考え方を関連付けて記述しましょう。


※ 本記事の模範解答例は、出題趣旨を踏まえて当サイトが独自に作成した参考答案であり、試験実施機関が公表した公式解答ではありません。

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